《慎二side》 ───…… ───────…… いつものように歴研の部室に向かうと、既に白川がいた。 白川は真剣な面持ちで書類を見ていた。おそらく生徒会の資料だろう。 歩いてくる俺に気づいたのか、白川はこちらを向く。 「こんにちは、先生」 白川は長い髪を小指でかきあげ、微笑んだ。 「ああ、こんにちは。……まだみんな来てないんだな」 歴研の部員は6人。あと5人もいない。