そう、この声の主は……。



「……萌」



萌だった……。



俺はゆっくりとうしろを振り向いた。



白川も驚いたように目を見開き、萌を見つめている。



萌はプルプルとまつげを震わせて言った。



「……全部、見てました。あたし……もう帰ります」