「はじめまして。萌さんとおつき合いさせていただいている、かみ……」



神谷と申します、と言いかけたときだった。



「萌ー!! なんなのよこのイケメンはー!!」



萌のお母さん(たぶん)が家の中に向かって叫ぶ。



先ほどの不審がっていた態度とはまったくちがう、どこかうれしそうな声だ。証拠に、声の調子が2オクターブくらいあがっている。