何事もなかったかのように。



だから俺は、あの日のことを言うのを極力避けた。白川も同じらしかった。



「……わたし、生徒会の仕事があるのでそろそろ行きます。お時間いただきありがとうございました」



「ああ、ありがとう。すまなかった、白川に全部任せて……」



「いえ、大丈夫です」



白川は立ち上がり、部室を出ていった。