たしかに、里奈は旧家育ち。いいところのお嬢様だ。 俺はそんな彼女を自分には不釣り合いだと真剣に思うことがあるほどの立派な家。 「今から1年くらい前かなぁ。ヤスシと出会ったの。はじめはね、イヤだったの。慎二が大好きだったし。だけどいつの間にかヤスシに惹かれちゃって」 あはは、と言いながら里奈は頭をかく。 「……そっか」