部室に入る。 十畳ほどの部屋だ。そこに歴史の史料がずらりと並んでいるため、なんだか狭く感じる。 「あの……これ、頼まれてた資料なんですけど……」 白川はそう言って、俺に書類を手渡した。 「ああ、ありがとう。……お疲れさま。すまなかった、白川だけに頼んで……」 「いえ、大丈夫です。わたし部長ですから」 白川は、ふふっと妖艶な笑みを浮かべた。