「えーっと、確かお前……間宮萌だっけ」 自信がなく、それとなく訊いてみる。 「はい、そうです……」 間宮はふわっと微笑んで言った。 俺は間宮の手から黒板消しを取ると、黒板の上部にある【問5】の文字を消した。 「わ、ありがとうございます!」 間宮はそううれしそうに言い、また微笑んだ。 俺はそのまま無言で教室を去った。