長い髪の隙間からのぞく首筋に思わずドキリとする。 「当たり前だろ」 そう言ったが……実は俺は、迷っていた。 俺は……彼女が一番大切なのだろうか。 もしかしたら、彼女ではない違う人を一番と考えているのではないか。 そう、例えば彼女……。 その名前を出そうとして、やめた。だって、俺が一番愛しているのは里奈だ。 他なんて……考えられるわけがないんだ。 ましてや彼女は、俺とずっと歳が違うのだから。