「なんだよ、滅相もございませんて」
片倉課長はククッと喉を鳴らし笑っている。
なにも考えずに言ってしまったことが恥ずかしくて仕方ない。
「蓮見、大歓迎なら一緒に行ってくれるんだな?」
「あの、課長こそ私と一緒に食事に行ってもいいんですか?なにか予定があったんじゃ」
片倉課長が確認するように聞いてくるので、私の不安を口にすれば呆れたようにため息をついた。
「あのな、だいたい予定があったら誘わないだろ。それに……いや、なんでもない。で、行ってくれるのか?」
改めて聞き直してくる。
どうして私を誘ってくれたのか疑問は残るけど、神様がくれたチャンスかもしれないと思い「はい」と頷いた。
エレベーターに乗り込み片倉課長がボタンを押そうとした時、手に持っていた紙袋がガサッと揺れた。
やっぱりその存在が気になってしまい、じっと見ていると片倉課長と目が合ってしまった。
「今年もたくさんですね」
とっさに、なにか言わなきゃという思いに駆られた私が発した言葉は無遠慮なものだった。
「いや、あの……すみません」
取り消したくても、一度発した言葉はそんなことも出来ず。
私は謝罪するしかなかった。
「別に謝ることはない。チョコをくれるのはありがたいが、誰からというのが分からないし、あまり得意ではないからこんなに食べれないというのが正直なところだ」
苦笑いしながら紙袋の中を見る。



