広報の桐島麗香さん。
艶々の黒髪ストレートロングが印象的なスラッとしたモデル体型の美人顔。
桐島さんと片倉課長は同期だ。
「なにか用か」
「この前の写真を現像したの。どれを載せる?私はこれがいいと思うんだけど」
ファイルの中から数枚の写真を取り出し、片倉課長の机の上に並べた。
片倉課長はそれを見ることなく、写真をひとまとめにして桐島さんに返す。
「どれでもいい。そっちの判断に任せる」
「もう、つれないなぁ」
拗ねたような表情で写真を受け取った。
この前、桐島さんは社内報の作成のために片倉課長に取材していた。
うちの会社は月に一度、社内報の冊子が郵送で送られてくる。
それには社長の一言とか、社員の仕事風景、麗香のおすすめレシピなど毎月工夫を凝らした内容を掲載している。
料理好きな桐島さんの考えるレシピは誰でも簡単に作れると好評なんだ。
来月はうちの部署が掲載される予定で、取材に来た時、片倉課長の写真ばかり撮っていた。
丸山部長にも取材をしていたけど、明らかに短かったし、写真は一枚撮ったかな?という程度。
部長は少し頭が薄く、話が長い人だから桐島さんが「部長はお忙しいでしょうから」とうまいこと言って片倉課長にシフトチェンジしていた。
まぁ、うちの部長の顔写真が載るより片倉課長が載った方が華があるとは思うけど。



