「あっ」
香苗はなにかに気づいたのか、食堂の入り口の辺りに視線を向ける。
私もつられるように見ると片倉課長の姿があった。
「陽菜子、顔がキモい」
「ちょっと!キモいとか失礼なんだけど」
本日、私に向けて二回目の毒吐きに思わず突っ込む。
今日は香苗の暴言の回数が多い気がする。
片倉課長を見て少し頬が緩んだ程度だと思っていたのに、そこまで言われるなんて心外だ。
「陽菜子、そんなに顔に出してたらバレちゃうんじゃない?」
「えっ、私って分かりやすい?」
両手で頬を押さえながらを聞いてみる。
香苗はため息をつき、何度も頷く。
ヤバイな、上手く隠せてると思ってたのに。
これからは気を付けなくちゃ。
「おーい、なんの話してんの?」
原田くんとの合コン話が終わったのか、大和が興味津々に聞いてくる。
「大和には関係ないから」
「はぁ?なんだよ、それ。仲間ハズレはんたーい!陽菜子のくせに生意気だぞ」
そう言って私の髪の毛をグシャグシャにする。
こーいーつーはー!!!
「ちょっと、バカ大和!やめてよ」
手を払いのけ、髪の毛を手ぐしで整える。
ホント、大和はやることなすこと子供っぽいんだから。
「そこの二人、目立ってるから静かにしなさい」
香苗にたしなめられ、口をつぐむ。
なんで私まで……納得がいかない。



