へぇ、というキジの横顔に暗い影がさしたような気がしました。

「へぇ、鬼退治ねえ」

太郎はキジを傷つけたような気がして、居心地が悪くなりました。

「おまえは、どこへ旅をしているのじゃ、キジとやら」

太郎は、遠慮がちに言いました。

キジは歌うように答えました。

「風の吹くまま、気の向くままじゃ」