日差しが強いその日も、太郎は川上へ、川上へ歩いていました。

毎日毎日歩き続けるので、草履は磨り減り、足は日に日に重くなりました。

太郎は少し休もうと思いました。

少し先におあつらえ向きの大木がありました。

しかし、太郎が木陰に腰を下ろそうとしたその場所に、同じような身なりの旅人が座っていました。

「おまえも旅人か」

先客は顔を上げていいました。
「まあ、すわれよ」