次の日になりました。その日は雨でした。

太郎は岩山の下で雨宿りをしていました。

そこへ、飛び込むように入ってきたのは、同じような年頃の若い男でした。

「おや、先客か。こんなところでめずらしいな」

手ぬぐいで濡れた頭を拭きながら、若い男は言いました。

「おいらは、サル。おまえは誰じゃ」

太郎は答えました。

「おれは桃太郎。おまえ、鬼の住む場所をしらないか?」