娘の名は、「たえ」といいました。

たいそう器量が良く、働き者でしたので、
村でも評判の娘でした。

いつか殿様がお迎えに来るだろうと
うわさするものもあるほどでした。

しかしその時はやってきたのです。

とつぜんやってきた「鬼」が
たえをさらって行ったのでした。

たえが15才の春でした。