イヌは少し微笑みました。

「命の水はあの川の川上に湧いておる。

おおよそ鬼の住処もその辺りにちがいない。

足止めをして悪かったな」

イヌは立ち去りました。

一人残された太郎は、自分の言葉をかみしめていました。


「おれは、本当の自分を知るために、かあさんに会うのだ」