桃から生まれなかった桃太郎

「命の水のことは知りたがらず、

鬼のことを知りたがるとは、

めずらしいやつじゃ。

なんでそんなに鬼のことが知りたいのじゃ」


太郎は、イヌに今までのことを話しました。

おじいさん、おばあさんのこと。

鬼にさらわれた本当の母のこと、

行方のわからない父のこと、

家を飛び出して旅に出たこと。