朝になりました。

強い日の光が、太郎の行く手を祝うかのように、あたりを照らしました。

しかし、太郎の気持ちは晴れませんでした。

今頃、おじいさんもおばあさんも、

自分のいないことに気づいているだろう。

怒っているだろうか

泣いているだろうか。

悲しみのあまり、寝込んでいるかもしれない。

太郎は思いました。

今なら引き返せる。