おじいさんとおばあさんは、太郎に本当のことを話そうと何度も考えました。

でも、いまさらどう言えばよいのでしょう。


太郎は、本当は川から流れてきた拾い子だということを。

おまえは、小さな木箱に入れられて、おばあのところに流れ着いた。

木箱にはたくさんの桃が一緒に流れてきたから「桃太郎」名をつけた。

おまえの本当のかあさんも、本当のとうさんも、どこにいるやらわからない。

鬼退治にいっても見つけられないのだと。