おじいさんとおばあさんはそんな太郎を黙って見守っていました。

太郎が働けば働くほど、つらくなる毎日でした。

おじいさんとおばあさんは、毎夜話をしました。

太郎に自分たちが本当の父や母ではないと話した日以来、親について何も言わなくなったのは、太郎のやさしさであることを、年老いた二人はよくわかっていました。

しかし、どうして太郎をこの村から出すことができるでしょうか。

たとえ、太郎とたえが会うことができたとしても、2人は他人なのですから。