2人が出会って、1週間が過ぎたとき、男は決心しました。

「いつまでもここで、おまえの姿を見ていたい。

でも、そうするわけにはいかない。

明日、俺は、仲間のところに帰る。」

たえは、小さな肩を震わせて言いました。

「いつまでもここにいていいのに。

私が毎日、食事を運ぶのに。」

叶うはずのない願いだと、たえは知っていました。

でも、言わずにはいられなかったのです。

男は、たえの小さな肩を抱き寄せました。

初めて触れた、たえの体は、

御影石のようにひんやりと冷たく、滑らかでした。