太郎は、父と母を振りきるように走りました。

そして振り向きませんでした。

月の光は太郎の行く手を照らしてくれましたが、

涙で前が見えませんでした。

足はもつれ、何度も転がりながら、

桃の木の場所へやっと戻って来ました。