太郎は母の胸でつぶやきました。

「おれは、人と鬼との間に生まれ、川に捨てられた」


母は太郎のつぶやきに続けました。

「おまえは、父と母の間に生まれ、川に流されたが、

おじいさんとおばあさんに助けられ、

ここまで大きくなった。

そして、この地まで母を迎えにきてくれる、

優しくて勇ましい男になった」