モリトは、少しずつ力を弱め、笑いかけてました。

その表情には、喜びがこもっていることを感じることができました。


太郎は混乱の渦巻きにのみこまれていました。

なぜ、この鬼は自分を抱くのか、

なぜ、鬼に抱かれた自分は、

力を抜いてじっとしているのか、

太郎には分かりませんでした。