「おれは、15んときに鬼にさらわれた娘を探しておる。

おまえさん覚えはないか」


太郎はたえをじっと見ました。たえは目をそらしませんでした。

太郎は思い切って聞いてみました。


「みたところ、おまえさんは、鬼ではないようじゃ。

ならば知っておるだろう。村でさらわれた娘のことを」

たえは何も答えません。太郎は続けました。