子を宿したと分かったとき、たえとモリトは喜びました。

しかし、モリトの父や母、またこの地の皆は恐れていました。

それは、この地の言い伝えからでした。

ここで生まれた異形の者は災いをもたらすといわれておりました。

年寄りは言いました。

この娘がこの地にはいったことだけでも、災いのもとなのに、なんということをしてくれた。

生まれくる子が異形であれば、川に流して捨ててしまうように。

それがこの地の幸せを守る唯一の方法だと。