桃から生まれなかった桃太郎

何日ぶりに人に会うでしょう。

太郎はうれしくなりました。そっと近づくと、小さく鼻歌がきこえてきました。

優しい女の声でした。

「ひとつ、ひばりが鳴いていた、ふたつ、古びた木の枝に、みっつ、見られて逃げてった。…」