太郎は、幾日も川上に向かって歩きました。

キジにあったその日から、誰にも会うことがありませんでした。

時には照りつける太陽が、太郎の体を痛めつけました。

時には雨が降り、道を拒みました。

でも、あるときには、あたたかい風と涼しい風が、太郎の頭を交互になでていきました。