ふと、隣の席に目を向ける。
どんなに待っても、笑顔の彼女はいなくて。
ただ、寂しそうに机が置いてあるだけだった。
「結局、最後まで来なかったな~」
俺の視線の先をみて、航平がつぶやいた。
あの日以来、彼女は学校に来ていない。
確か、体調を崩したとかそんな理由だった。
「慣れない土地で疲れてたんじゃねーのっ」
「彼方、見舞いでも行ったら?」
「はっ!?なんで俺がっ…」
「慣れない土地で、隣の席がお前みたいな問題児だったら柚ちゃんも大変だよな~っ」
「ちょ、俺のせいかよ!?」
「まぁ、柚も喜ぶんじゃない?」
「マユまで何言ってんだよっ…」