「私もそろそろ帰ろうかなっ」
彼女がそう言って立ち上がったから、
俺も自転車を止めたところへ
歩き出そうとしたとき、だった。
ーーーバサッ…
荷物でも落としたのかと思って、
俺が振り向く……と。
「ちょっ…どうした!?」
さっきまで立っていた彼女は、
地面に膝をついて、俯いている。
急いで駆け寄っても
「大丈夫だよ」と言葉を繰り返す。
必死に笑顔を見せているけれど、
さっきより顔色が悪く見えた。
辺りを見回しても、人なんかいるわけがない。
考えるより先に、体が動いた。
自分でも、驚くぐらいに。
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