鼻歌を歌って、上機嫌で前を歩く彼女。
もう暗いし、家の方向一緒だし、
家まで送っていくのが筋…だよな?
そもそも、帰るの遅くなったの俺のせいだし。
「ねぇ、彼方くん」
「……なに?」
彼女には、やっぱりまだ慣れなくて。
目を合わせるのが苦手な俺は、
ひたすら田舎の景色を見ていた。
「追試、受かりそう?」
「……どーだろ?」
「受かるといいね」
「……てか、受からないと航平に怒られる」
俺の言葉に「そうだね」と言いながら、
彼女は笑っていた。
誰かに合わせて歩くのなんて久しぶりで。
彼女の歩幅が、小さく感じた。

