「てか、数学なんて何の役に立つんだよ…」
三角関数とか因数分解とか…
何の役に立つのか、全く分からない。
シャーペンを置いて、俺はため息をついた。
「でも、本当に数学苦手なんだね」
俺のノートを覗いていた彼女が、
不意につぶやいた。
彼女の言葉に疑問を抱いていると、
ハッとしたように口を押さえていた。
「柚?」
「えっ…いや、なんでもないよっ!!」
「ははっ…柚ちゃんおもしろ」
なぜか焦っている彼女とは裏腹に
爆笑している航平とマユ。
そして、航平の目が俺に向けられた。
「…てか、彼方」
「ん?」
「あんなにやる気なかったお前が、なんでまた追試の勉強しようと思ったわけ?」

