「柚ちゃんが噂の転校生ってこと」
そんな話あったような、なかったような…
曖昧な記憶を辿ってみたけど、
人の話を聞かない俺が覚えているわけがない。
「彼方の隣とか、柚ちゃん可哀想~っ」
「航平より静かでいいと思うけどな」
「…かなた?」
聞き慣れない声に呼ばれて、
隣を見ると首を傾げる彼女がいた。
「そ、こいつ真波 彼方って名前なの」
俺の自己紹介を、代わりに航平がしてくれて。
俺の前に座っていたマユが振り向いたと
思ったら、彼女にとびきりの笑顔を向けた。
「柚ちゃん、彼方のことよろしくね?」
「彼方、柚ちゃんに迷惑かけんなよ?」
……なんか、逆なんだけど。
どうやら俺は、航平とマユの中で
かなりの問題児らしい。

