部屋に戻っても、特にすることはなくて。 ポケットに入っていた0点の回答用紙を 思い出して、とりあえず机に座ってみた。 「とは言っても、何をすれば…」 訳のわからない数式に、早くもダウン寸前。 てか、こんな数式いつ習ったんだ? 航平たちが心配するのも無理はない。 このままじゃ俺、進級も危ういよな。 「えと…教科書……」 数学の教科書なんて、何ヵ月も使っていない。 とりあえず棚をあさってみると、 俺の視界には、ひとつの写真たてが映った。