ーーー 「ただいま~」 家に帰ると、玄関に置いてある紙袋とお茶で 誰か客が来ていたことが分かった。 「彼方、おかえり」 「ばあちゃん、誰か来てたの?」 「新しく引っ越してきた人。ご挨拶に~って、ほれ、こんな立派なもんくれたわ」 「ふーん……それより腹減った~」 ばあちゃんの話を軽く聞き流し、 俺は冷蔵庫から麦茶を取り出した。 とうもろこしを茹でながら、ばあちゃんは まだ引っ越してきた人の話をしていた。