ーーー




何の躊躇いもなく、荷物を持って歩き出す。


学校を抜け出す常連犯の俺は、午後の授業を


受けないことが当たり前になっていた。




「また航平たちに怒られるな~」




なーんて、たまには思ったりもするけど。


こんな暑い中、授業を受ける気にはなれない。




何も変わらない海を眺めては、ため息をつく。


ふと、視線を空に向けたとき。


すーっと、何かが飛んでいくのが見えた。




「鳥?……じゃねーよな」




空を飛ぶ何かは、白いもののようだ。


風に乗って飛んでいく何かを、


俺は自然と追いかけていた。