その子と私は同じ班だった。

その子はリーダーで、その子と仲のいい子が副リーダーをやってくれた。

副リーダーの子は去年同じクラスだったから普通に話せるけど、リーダーの子は喋った事がなかった。

私たちの班が調べるのはメリットとデメリットだった。

クラスのテーマが少し難しく、メリットよりもデメリットの方が多かった。

1カ月前になって、その子が

「メリットとデメリットに分かれてやらない?」

と、言ってきた。

私もそうするべきだと思ったし、賛成だった。

やりたい方を聞かれて、「どちらでもいいよ。」と、答えた。

リーダーが平等に決めた方がいいし、その方が自己中にならなくていいと思った。

それからしばらくして

「メリットとデメリットの班を考えたからそれでやろうね。」

と、言って紙を渡してきた。

その紙に書いてあったことは驚くべきことだった。

その紙にはリーダーと副リーダー、それからあと1人が今までずっと調べてきたデメリット。

私を含めほかの子たちでなんの資料もないメリットを調べることになった。

こんなバカな組み分け方があるのだろうか?きっと副の子とその子は同じ班がよくて、楽なデメリットをやりたかったのだろう。

だからこんな班分けをしてきた。

イラッとしたし、一言いってやろうかと思ったが文化祭をこれからやるのに雰囲気を壊してはいけないと思い、一生懸命我慢した。

それからの私たちは大変だった。

1カ月。そこ間にパソコンで調べ、それを文章にして先生からOKをもらい、模造紙に張らなければいけなかった。

しかも四人で。

みんな、部活があったし大変だった。

メリット班の3人がのんきに部活にでているのをみるとイライラした。

そうやって、やってきたけど……

やっぱり1カ月では無理だった。

一週間前に迫ったときに、

廊下装飾をやる人を各班、2人ずつ出すことになった。

元々デメリットとメリットは同じ班だから7人中2人を出さなきゃいけない。、

どちらも模造紙が終わってなかった。

そこでデメリットとメリット、それぞれ1人ずつ出ることになった。

メリット班は全然決まってなくて、みんな出ようとしなかった。

だから私が出ることにした。

そして、リーダーの子と副リーダーに

「終わりそうにないから終わったら手伝ってあげてね。」

と、言った。

「りょーかい。」

そう言ってくれた。廊下装飾に精一杯取り組もう。

なのに……私は途中で廊下装飾を辞めさせられた。

リーダーと副リーダーの子に言われたのだ。

「さとみは、まだメリット終わってないんだからそっちいった方がいいよ。うちらが装飾やるからさ。」

装飾の班が楽しそうに見えたのだろう。

それをうらやましく思って、私に代われといってきたのだ。

「でも…うちがこれやってるし…

手伝ってあげてって言ったよね?」

そう言ったけどダメだった。

「確かに言ったけど、元々さとみがメリットでしょ?うちらに押しつけないでよ。

今、職員室で先生にOKもらえるか聞いてるから。早くいきなよ。」

そう、言われた。

ばかばかしくて言い返す気力もなかった。

「そうだよね……わかった。」

そう言うと職員室に向かった。

職員室では先生と班の子たちが話していた。

「あのね、文化祭っていうのは班でやるものなの。だからリーダーの子たちと協力してやりなさい。

わかった?」

「わかりました……」

とりあえず、そう言っておく。

そうすれば全て解決するのだから。

パソコンに向かって訂正をする。

四人でやっていると、誰かが言った。

「他の人にも協力してもらう?」

そう、言って呼びにいった。

しかし、すぐに1人で帰ってきた。

「なんかね、自分たちのことなんだから自分たちでやってだって。」

私は我慢できそうになかった。

でも、雰囲気を悪くするのはイヤだしこの四人でやらなくてはいけないのだ。

怒ってる暇なんてない。

せっせとやって先生のところにいく。

「あら、やっといいのがきた。

最初から意地を張らずに協力してやればいいのに。」

は?どういうこと?

意地を張らずにってうちらが意地を張ってるってことになってんの?

みんな、意味がわからず頭に?を乗せている。実際、私もそうだった。

「こうやって、みんなで協力してがんばってね。」

そういうと、模造紙とコピーした原稿を私たちに渡すと先生はどこかへ行ってしまった。
 
私たちは全員が考えた。

そして、一つの答えにたどり着いた。

それは私たちが意地を張って手伝ってもらわず、でも自分たちではでかないから協力してもらった。 

二人の手柄だった。

私はその子を自己中と思い続けた。

しょうがない……と。

いつか、関わらなくてすむ日がくるのだからその日を待ってよう。…と。