「ねぇ、隣のクラスの男の子が乃愛のこと呼んでるよ~。」
意味深な言い方をした美那。
「わかった。行ってくるね。」
「いってら♪」


「あの…呼んだ?」
ひとりの男の子がいた。どちらかと言えば色黒で、大きな二重に笑った時に出来るえくぼが印象的で、可愛い感じだった。
「俺、篠田結斗。ここで話すのもなんだから、屋上行こ?」
「あ、はい。」
彼は、ニコッと微笑むと階段を上がっていった。

「あのぉ…」
「え、あっ突然呼んでごめん。」
いきなり謝るから焦る。
「いや、全然大丈夫だよ!!それで、どうしたの?」
私は笑ってみせて、首を傾げた。
彼の顔は赤く染まっていた。
「あの…俺…田崎のことがずっと前から好きだった。だから俺と付き合ってくれねぇか。」
―って、えぇ~
ウソ!?
でもぉ…
「私、ずっと好きな人がいるの。だから結斗くんとは…」
「そいつのことが好きでもいいからさ。絶対に俺を好きにさせてみせるから、チャンスくれねぇか?」
―こんなに言ってくれた人、初めてだ…
付き合ってみようかな
「ねぇ、私が他の人のことが好きでもいいの?」
結斗くんは驚いたようで、
「えっ!?」
「私でよければ…」
そう言うと、
「マジで、いいの?やばい、ちょー嬉しいんだけど…」
しゃがみ込んでしまった結斗くん。
「これからよろしくお願いします!!」
私は、頭を下げた。
―私…
結斗くんと付き合って、優のこと忘れられるかな

付き合うことになった結斗くんと私…
これからどうなるんだろう?