「…な!…が!」
「…。」
数羊は、クラスのやつと話をしているみたいだ…というか、なんか…攻められてる?

「なんとかいえよ!!」
ガシャーン!!

な、何だ?俺が、音のした方を向くと、数羊が椅子ごと飛ばされたみたいだった。

「数羊!!おい、大丈夫か?」
「…平気…。」
見た限り…平気そうじゃないんだけど…。数羊は顔を殴られたみたいで、口元から血が出ていた。数羊は微かにだけど震えていた。

俺は、腹の中から沸き上がったような怒りで叫んでいた。
「…おい、数羊殴ったやつ…出てこい…。今すぐ!」

すると、さっきのやつが申し訳なさそうにこちらに近づいてきた。

コイツは確か…白蛇 勝巳。
クラスのなかで、派閥が俺or白蛇で別れてる(らしい)。

俺は、すぐにそいつの胸ぐらを掴んだ。
「お前、何でこんなことした?」
「こっちの台詞だよ…。最近付き合いも悪いし、『読書部』ってやつにも入ったみたいだしな!!何?コイツと付き合ってんのか?あ?」

コイツ…黙ってりゃ、ゴタゴタうるせえ…!

ふと、数羊の方を見ると、うつむいたままだった。
…俺が助けないと、またやられるかもしれないな…。

「あぁ、今気づいたのか?俺は、数羊と付き合ってるよ!!だからもう…数羊に近づくな…いいな!」

あー、言っちゃった…。いってから後悔するのが俺の悪い癖だよな…。

「あっそ。いい加減…手ぇ離せよ。」
俺は荒々しく白蛇の襟を離した。