「…よし、できた!!」
俺がボソリと呟くと、棚の方から数羊の足音が聞こえた。
「終わりましたか?」
あれ…敬語に戻ってる…。やっぱりまだ怒ってんのかな…。

数羊は俺の書いた感想文を見て、俺の頭を撫でた。

「え?」
俺が数羊の顔を見ると、優しい目をした、いつもの数羊がいた。
「良くできました。合格!!」

数羊は俺の頭から手を離して、数羊の読書感想文と重ねて、顧問机に置いた。
いつの間に書いたんだよ…。

ってか…合格って…。そう言われただけなのに…俺、スゲー嬉しくなってる!!

「数羊!!ありがと、俺、自分の名前に…自信持てそうだ!!」
俺は気づいたら、数羊にお礼を言ってた。
数羊は振り返った。

「そっか…良かったね。」
「ああ!!」
俺はうれしくてにこにこしてたんだけど…。
「後で、説明してくださいね♪」

そんなぁ~!!
「えー…。」
「覚えてる範囲でもいいから。ね?」
『ね?』って…コイツ…絶対俺の弱味分かってやってる!!

でも、俺は数羊と自分の名前についてずっと話した。っていっても、バスが来るまでだけどな…。

俺らがバス停について5分くらいでバス来たゃうんだもんな!!もうちょっとだけ話したかったかもな~。