「眞中くん!ちょっと来て!」
「はぁ?」
教室で女子に囲まれてなかなか抜け出すことの出来ない健一を美穂が連れ出そうとしたが離してくれなかった。
「杏子が・・・杉村さんに連れていかれた」
「はぁ???」
周りの女子たちの顔色も変わると同時に、健一は目を閉じ、眉をひそめ下唇を噛んだ。
―――やっぱりあいつ、杉村に何かされてたんやな。
健一も、杏子に元気がないことや痩せたことに気づいていた。
しかし、美穂に聞いても杏子は何も答えないって言ってたから気にはなりながらも、杏子には聞けずにいたことを後悔した。
「どこに連れて行かれたんや?!」
「わからん」
美穂は今にも泣き出しそうな顔をして首を振った。
「大丈夫やって。俺があいつを守るから」
健一は、その言葉だけを残し、教室を飛び出し杏子を捜した。
―――くそっ!いてない。
体育館裏、空き教室、屋上などを捜したが、いなかった。
―――どこにいてるんや!まさか、学校から出てるとか??
屋上のフェンスに指を絡ませ、学校を見渡すと、ある場所が目に入った。
―――あそこか?!
健一は、力の限り走った。
―――すまん、俺が悪いんやな・・・何も考えずに杉村の気持ちを逆なでするようなことをしたから。
でも、俺が絶対にお前を守るから。
プールの裏に着いた健一は、目の前の光景に呆然と立ち尽くすしかなった。

