「杏子、眞中くんと何があったんよ〜」


化学実験室に向かう廊下を速足で歩きながら美穂がニヤニヤと怪しげな笑みを零して杏子に聞いて来た。


「いや・・・別に・・・」


杏子は、答えることが出来ずに、ごまかすしかなかった。


「まぁ、昼休みにじっくり聞かせてもらうわ」


―――やっぱり?


杏子たちが化学実験室に着いた時、すでにほとんどの生徒が集まっていて、化学担当の三好が白衣姿で何やら用意をしていた。


私が席に着くと同時に杉村が教室に入って来た。


いつもは健一に付いて回るような金魚のフン状態であるのに、一人でやって来たことに杏子は違和感を感じていた。


授業はちょっとした実験で、あっという間に終わったので、残りは中間テストに向けての自習時間となった。


4人1組の実験室のテーブルには、化学のテキストを広げている者もいれば、他の教科のテキストを広げている者もいる。


一際熱心に勉強しているのは美穂で、杏子の英語のノートを写すのに必死だった。