「今日は、このタオルを渡さないとな・・・」
健一は、洗濯して乾いたタオルを丁寧に畳みながら昨日のことを思い出していた。


―――とうとう言ってしまった・・・。


昨日の出来事を思い出すと、手は止まってしまう。


健一は、杏子が忘れられない男を忘れさせることができるのか、忘れられない男とは誰かをずっと考えていた。


―――元カレか?どこにいてるんや・・・?どんな男や?年上か?同級生か?年下か?背は高いのか?


ライバルは健一の中で全く形が定まらないまま、挑戦状をたたき付けていた。


見えない相手と戦わなくてはいけないことが健一を苦しめていた。


「やばっ・・・遅刻するし・・・・」


頭の中で、『忘れられない男』のことを考えていたら、早く起きたはずが、あっという間に遅刻ギリギリの時間となっていた。