「岩田くん、ありが……」 「あー足つってたわ。マジ痛かった」 私の声を遮って、わざとらしく大きな声を出す。 足なんてつってないくせに。 お礼ぐらい言わせてよ。 もう1回お礼を言おうと、岩田くんの服の裾を掴んで止める。 「あり……」 「もっと俺を頼ってくれていいよ。あっ俺頼りにならないか」 ハハッと笑って、また歩き出した。