「お世辞じゃないけど……」 ――キーンコーン…… 「あ、予鈴だ!遅刻しちゃう!って……何か言った?」 チャイムと岩田くんの言葉が被った気がしたんだけど。 だから、聞き返したのに岩田くんは首を横に振った。 「何にも。ほら、早く行くぞ」 そう言って、早歩きをしだした。 だから、不思議に思いながらも岩田くんについて行った。 私たちの関係は、何も変わらないまま……。