「あの…」




「はい?」




なぜか声をかけてしまう私に不思議そうに首を傾げる男。




私はじーっと顔を見る。
サングラスかけてるからいまいち顔が分からない。
帽子がなかったらなぁ…




「何か顔についてます?」




そう聞かれて私は口を開いた。



「私のこと知ってますか?」




なーーんて、聞いてしまった。





この声絶対知ってるもん。
でも、誰だったけな…





「……知らねぇよ?」






男の返事に一瞬戸惑ってしまった。
さっきまでと言葉遣い違うくない?


なんか、怖い…



「会ったこと、ないかなぁ〜?って…へへ。声聞いたことあるんで」



なぜか笑う私。
多分顔引きつってるけど。





「…新種のナンパかよ」




なっ…ナンパ?!



「ち、違います!絶対違います!」




そんな事するわけないじゃん!



私がナンパなんて…うん、ありえない。





「ふぅん。俺、もしあんたを知ってても思い出せねぇや」



「え?」



どいういこと…?