その日の帰り道。
私は近くの本屋さんに寄った。
美結が持ってた雑誌、欲しいのに昨日なかったんだよなぁ…
「…ない」
蓮斗が載ってる雑誌はとりあえず全部買ってるのになぁ。
明日は学校休みだから本屋巡りでもするか。
次の日。
私はせっかくだから隣駅にある大きめのショッピングモールに来た。
服屋もいっぱいあるし暇つぶし出来るしね。
まずは本屋さんに寄った。
「あ!あった!」
山積みに置かれている雑誌を手に取る。
こんなにいっぱいあるじゃん〜。
レジに行こうと後ろを向いた瞬間…
ドンッ…
「痛っ…」
誰かにぶつかってしまった。
「あ、ごめんね?大丈夫?」
上から聞こえた声は甘くて低い綺麗な声だった。
声の主はサングラスに帽子を被っていて少し不審だった。
「あ…はい、大丈夫です」
不審に見えるけど、声は甘くて…
聞き覚えが…ある。

