俺様に溺愛されて



しばらくして止まった場所は怪しいビルの前。

え…まさか、ここに入るなんて言わないよね?


「ほら、おりろ」


蓮斗にそう言われて車から降りる。


そして、2人に連れられてやっぱりそのビルの中へ。



連れられてきたのは、BARで。
誰もいない。
店員さんはいるけど。


「ここ、今日貸し切りにしてるから」


店員さんがニコッと笑う。
店員さんもイケメンで爽やかな笑顔で惹きつけられた。




「…あ、俺の名前はユウジね。ユウジでもなんでも好きに呼んで」


店員さんなユウジさんというらしい。




私、明らかに未成年なのに普通に受け入れるのは事情を知っているからだろう。

ちなみに、私の学校は制服じゃなくても私服でいい。






「マネージャーの拓人です。これからも会うこと多いと思うしよろしくね」


あ、マネージャーさんだったのね運転してたのは。
って、これからも会うって…なぜ?




「名前は?」



蓮斗が聞いてくる。

「優です…」



まさか、蓮斗に名前を知ってもらえるなんてね。

でも、喜んでる場合じゃないもんね。




「優ね。俺のことは蓮って呼べ」



蓮斗じゃなく、蓮か。
呼べって言われてもなぁ…
恥ずかしいし、呼ぶことあるかもわかんないし…



「つか、俺うまいだろ?ちゃんと優のこと見えないようにしたし」



んんん?

何言ってんの?
急に何。



「カメラの方向まで把握して、ちゃんと、気使って顔もバレねぇようにしたんだ。感謝しろよな」




ちょっと待ってよ…
まさかとは思うけど。




「週刊誌に載るのは…偶然じゃなかったんですか?」



その言い方だと撮られるの分かってたみたいじゃない?




「偶然じゃねぇよ。わざと」




そ、そんな…
しれっと言わないでよ…
どうしてそんな平然でいられるのかわかんない。


「どうしてそんな…私達会ったばかりなのに」



蓮斗…蓮がこんな一般人で特別可愛いわけでもない私をどうして?