俺様に溺愛されて




5分くらいたっただろうか。
ようやく蓮斗が離してくれた時には私は酔ってるみたいにフラフラで。


いつ夢から覚めるのだろうか。





「これ、俺の番号な」


そう言ってポーッとしてる私に小さな紙切れを握らせた。





そのあと私はどうやって家に帰ったのか覚えていなかった。

ただ、気づいたら自分の部屋のベッドにいて。



次の日。
学校でもずっと上の空で。
心配する美結にも言えなくて。


あの出来事が信じられなくて。





だけど、それから一週間後の事だった。



「ちょっと!優!」

教室に入るなり美結が私を大きな声で呼んだ。

なぜかクラスの女子みんな騒いでいて。



「おはよ、美結。どしたの?」



美結の机には週刊誌がおいてあって。




それに目を向ける。




…ん?




【相沢蓮斗 熱愛発覚】という見出しがあった。



「えっ?!蓮斗が熱愛?」




嘘…蓮斗彼女いたんだ。
なのに抱きしめられたなんて…
って、やっぱり夢だったのかな…。



「相手の女の子の顔とかはわかんなかったんだけどね」


と、そのページを開く美結。


そこに写っていたのは誰かを抱きしめる蓮斗の姿で。


蓮斗の背中で女の子の姿は見えなかった。
顔も蓮斗のたくましい胸にうまってて…





……って。

これ、私だよ…ね?
撮られた日にちもあの日だし蓮斗のこの服装も…場所だって。



「これ、私達がいた場所…だよね?」



美結が落胆したように言う。