私、こんな男の知り合いいないんだけど…
「相沢蓮斗。好きなの?」
男が私の前にある雑誌を見て聞いてきた。
「え…まぁ、はい」
好きだけど。
なんで、そんなこと聞くの。
「俺、あんたの知り合いじゃねぇけど、あんた俺の事知ってるみてぇだな」
………………………。
知り合いではないけど、私はこの人を知っている…?
………んん?
「顔は隠せても声は隠せなかったみてぇだわ。わかんね?」
顔は隠せても、声は隠せない…
声…
確かこの人の声は甘い。
甘い?
いや、…え?
「あ、あああああ…あなた…ま、まさか…ええ?」
私は目の前の雑誌と不審な男を見比べる。

